上司から食事に誘われて行ったところ、性的な関係を求められ、拒否できずに応じてしまいました。 後日、「あれはセクハラです」と抗議したところ、「君が同意したんだから、あとから言われても困る。」と言われました。拒否できなかったというだけで、セクハラではないと主張できなくなってしまうのでしょうか。

2022/5/17

セクハラの被害者は、明確に拒否できなかったり、迎合的な行動を取ってしまう人も多いものです。それだけで同意があった(セクハラではない)ということにはなりません。

【解説】

セクハラは、職場の上下関係を背景にして嫌と言えない関係で行われることが多いので、明確に拒否できない人も多いです。

そのために行為者からは同意があった(セクハラではない)と反論されることがあります。

しかし、拒否できなかったからといって同意があったことにはなりません。

最高裁判決でも、被害者が内心で著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議・抵抗や会社に対する被害深刻を差し控えたり躊躇したりすることが少なくないと指摘されています。

また、男女雇用機会均等法の施行通達において、「被害者が行為者に対して迎合的な言動を行っていたとしても、その事実が必ずしもセクハラを受けたことを単純に否定する理由にはならないことに留意すること」とされています。

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