上司から食事に誘われて行ったところ、性的な関係を求められ、拒否できずに応じてしまいました。 後日、「あれはセクハラです」と抗議したところ、「君が同意したんだから、あとから言われても困る。」と言われました。拒否できなかったというだけで、セクハラではないと主張できなくなってしまうのでしょうか。
2022/5/17
セクハラの被害者は、明確に拒否できなかったり、迎合的な行動を取ってしまう人も多いものです。それだけで同意があった(セクハラではない)ということにはなりません。
【解説】
セクハラは、職場の上下関係を背景にして嫌と言えない関係で行われることが多いので、明確に拒否できない人も多いです。
そのために行為者からは同意があった(セクハラではない)と反論されることがあります。
しかし、拒否できなかったからといって同意があったことにはなりません。
最高裁判決でも、被害者が内心で著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議・抵抗や会社に対する被害深刻を差し控えたり躊躇したりすることが少なくないと指摘されています。
また、男女雇用機会均等法の施行通達において、「被害者が行為者に対して迎合的な言動を行っていたとしても、その事実が必ずしもセクハラを受けたことを単純に否定する理由にはならないことに留意すること」とされています。
1人で悩まずに、弁護士に相談してください。下記の「女性弁護士による働く女性のためのホットライン」は女性弁護士が対応しますので、何でも話してください。
- 労働判例命令研究会のご案内【次回は12/8(月)】 2025/12/1
- 解雇の金銭解決制度検討に反対する幹事長談話を出しました 2025/11/21
- 【12/5(金)18時30分~】配転に関するシンポジウム開催 2025/11/19
- (2026年)第38回労働法講座日程のお知らせ 2025/11/18
- 労働者の権利362号(権利白書)、363号(秋号)を発行しました 2025/11/12
- (2025年)第69回全国総会決議について 2025/11/10