従業員全員が新型コロナのワクチンを打っているという安心安全を売りにしたサービスをしたいので、ワクチン接種をしないなら辞めてくれと言われました。ワクチン接種をしない限り、辞めるしかないのでしょうか。

2021/12/5

Q12-2-1で述べたとおり、新型コロナのワクチン接種は強制ではなく、接種を受ける人の同意がある場合に限り接種が行われます。接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な取扱いをすることは許されません(厚生労働省・新型コロナウイルスに関するQ&A〔企業の方向け〕 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q10-10)。また、配置転換等の人事措置については、業務上の必要性、合理性、不当な動機・目的の有無、受ける不利益の程度を総合的に見て、人事権を濫用しているといえるような場合には無効になります。
使用者としては安全な職場環境を整えたり、取引先や顧客の安全を確保したりするため、従業員の接種を促したい場合もあるかもしれません。もっとも、厚生労働省も、事業主や管理者に対し、接種には本人の同意が必要であることや、医学的な事由により接種を受けられない人もいることを念頭に置いて、接種に際し細やかな配慮を行うよう求めているのです(厚生労働省・新型コロナウイルスに関するQ&A〔一般の方向け〕https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1-10)。
ワクチン未接種を理由とする解雇や退職勧奨、いじめなどの差別的な取扱いを受けた場合には、社内外の相談窓口や労働組合に相談して、使用者に働きかけ、直ちにそういった行為をやめさせましょう。