IT系の会社で働いています。会社から、「会社が用意した新型コロナのワクチンを接種するように」という業務命令がありましたが、ワクチンを接種すると社に約束したこともないですし、私は接種したくありません。こういった会社の業務命令は有効で、ワクチンを接種していないと解雇されてしまうのでしょうか?
2021/12/5
ワクチン接種は、副作用含め労働者の人体に重大な影響を与え得るものですから、接種するかどうかは完全に個人の自由です。一方的に他者から義務づけられるものではなく、この会社の業務命令は無効です。2020年に成立した改正予防接種法の参議院附帯決議でも、「新型コロナウイルスワクチンの接種の判断が適切になされるよう、接種の判断は国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること。」(同第1項第1文)とされているのも、その現れです。
このように、ワクチンの接種は、労働者個人が強制されるものではありませんから、会社は、あなたがワクチンを接種していないことを理由にした解雇には、客観的な合理性も相当性も認められず、無効となります。
なお、先の改正予防接種法の参議院附帯決議においても、「ワクチンを接種していない者に対する差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと。」(同第1項第2文)とされています。
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